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2021年9月13日4 分

賃貸で物件申込後にキャンセルしたくなったら、いつでも構わないの?

賃貸物件を探される方は、「入居先部屋」が確定後、入居審査を経て「賃貸借契約」を結び、入居されるのが一般的ですが、ごくまれに物件申込をされた後に「キャンセル」する方がいます。

入居申込をされた後のキャンセルは、正直仲介会社や、物件を貸すオーナーさんに迷惑をかけてしまう可能性が非常に高い事から、よほどの理由がない限りは「避けてほしい」と思っているのが、正直な所です。

賃貸業界において、キャンセル対応が可能かどうかに関しては、賃貸借契約が成立しているかどうかが、非常に大きな分岐点となりますが、ただ民法上においては、契約が成立していなくても、契約がすでに成立しているとみなす恐れがあるので、安易なキャンセルはしないほうがベストです。


目 次

1.民法上においては、諾成契約が認められている

2.大抵の管理会社では、賃貸借契約で判断している

3.交渉を条件に契約を迫る行為は、トラブルになる可能性が…

4.まとめ


1.民法上においては、諾成契約が認められている

賃貸物件を借りる場合、賃貸借契約書にサインをすることによって、契約が成立すると、大多数の方はそう考えていると思いますが、厳密にいうと「借主が部屋を借りたい」と申し出て、貸主が「わかりました」といった時点で「契約そのものは成立している」と見做します。

これを「諾成契約」(だくせいけいやく)といいます。

2.大抵の管理会社では、賃貸借契約で判断している

民法上においては、諾成契約は成立していますが、実際の現場サイドでは「賃貸借契約が成立」しているかどうかで、契約が成立しているかどうかを、判断しています。

諾成契約が成立していたとしても、賃貸借契約が成立していない限りは、契約をキャンセルすることは「可能」とし、契約の前に振込まれた初期費用も「全額返金に応じる」管理会社が多いです。(詳細に関しては各管理会社にお問合せ下さい)

なお、賃貸借契約が成立後に関しては、たとえ正当な理由があったとしても、キャンセルを受付けることはなく、もしキャンセルしたい場合には「解約手続き」をしなければなりません。

解約に関しては、大抵の物件で「解約日から1か月前まで」に連絡することになってることから、すぐに解約することはできません。

初期費用の中で、敷金は返金されますが、それ以外の費用に関しては「解約」であることから、返金に応じてくれず、さらに賃貸借契約書において、特約で室内クリーニング費用を借主が支払うことが明記されている場合には、敷金を預け入れていたとしても、室内クリーニング費用は相殺され、残金があった場合には返金されます。

3.交渉を条件に契約を迫る行為は、トラブルになる可能性が…

賃貸業界においては、見学時/入居申込時において、交渉をされる方が非常に多いです。

交渉することに関しては、仲介担当者も「ある意味理解」はしているので、よほどのことがない限り、お客様から提案された条件を、管理担当者経由でオーナーさんにお伝えして、OKかどうか判定してもらうことになります。

これは実際に合った事例なのですが、とある物件において「入居希望意思」を示していたお客様が「エアコンをオーナーさんが新規設置してくれるのであれば、入居したい」と交渉が入ったため、オーナーさんはエアコンを購入して待っていたものの、後日お客様の考えが急に変わってしまい、違う物件に住むと言い出してきたため、契約はキャンセルとなりました。

実は、こちらのお客様は「すでに入居審査が完了」したばかりで、賃貸借契約準備をこれから行おうとしていた矢先に、キャンセルのお申し出がありました。

この件について、管理担当者に聞いたところ「グレー要素が強い」とのことでした。

契約が成立していないので、キャンセル自体は有効的な反面、お客様が「入居条件としてエアコン新規設置を要求し、また入居審査が既に完了していた部分」においては、入居する意思があったのではと、認められる可能性が高いので、もしこのようなことを言ってしまうと、トラブルになる可能性が高いのではと、管理担当者が話していました。

家賃交渉をする場合、入居する事を前提として交渉しないと、場合によってはオーナーさんとトラブルになってしまう恐れがあるので、要注意です。

4.まとめ

賃貸物件に入居する時、初期費用や家賃を少しでも「抑えたい」と考えている方は多いですよね?

交渉することについては、仲介担当者も「想定の範囲内」であることから、対応してくれるケースは多いのですが、ただ「設備をつけることを入居条件」にした場合で、契約前にキャンセルをしてしまうと、オーナーさん的には「烈火のごとく怒ってしまう」ことが想定され、場合によってはトラブルになってしまう可能性が高くなりますので、交渉をする場合には、入居する意思をしっかり示したうえで、行うようにしてもらうと、とても助かります。

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