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家賃保証会社にどうして加入しなければならないの?


毎年1月~3月の時期は、新年度に向けて「賃貸物件を探される」方が多くなります。

進学や就職を機に、親元から離れて「初めて一人暮らし」をされる方にとっては、賃貸探しはとてもワクワクする一方で「どうしてこの費用が発生する?」といった疑問点がわいてくる経験をされると思います。


現在は、大手管理会社物件ではもちろんですが、街の不動産屋さんが管理している物件においても、契約寺に「仲介会社が指定した保証会社」に加入することを必須としています。


ただ加入するのではなく、契約時に「初回保証料」として「家賃50~100%分」、また年1回更新料として「1~2万円程度」を支払わなければなりませんが、どうして借主が保証料などを負担しなければならないのか、また保証料や更新料は「掛け捨て」になってしまうため、退去時には返金されない費用となることから、お客様にとっては「事実上お金を捨てる」ような感覚となってしまい、納得することが非常に難しいです。


ただ、仲介会社では「保証会社必須物件において、保証料なしでの入居」は、認めない傾向となっているため、入居者と仲介会社との間には「考え方の相違」があるのも事実。


今日のブログは、借主がどうして保証料を支払わなければならないのか?その理由や背景などについて、お伝えさせていただきます。


 

目 次

 

1.連帯保証人制度の限界

連帯保証人制度の限界

少なくとも1990年代後半までは、どの賃貸物件に入居するとしても「連帯保証人」になる方を見つけなければ、賃貸物件に入居することはできませんでした。


連帯保証人とは、契約者様が「家賃滞納」した場合、法的な債務を負うことを意味しています。管理会社では、入居審査時において「連帯保証人となるべき方の資産状況及び勤務実態」等から総合的に判断し、連帯保証人になれるかどうかを判断します。


ただ、近年においては…

・連帯保証人の対象者となるご両親が「高齢化」の傾向となっている

・ライフスタイルの変化で、ご両親に連帯保証人になってもらえない人が急増

・家賃滞納が発生し、連帯保証人に「債権回収」を行う場合には、法的手続きが必要

となることから、連帯保証人をつけたとしても「債権をしっかりと回収できるかどうか」は微妙となり、仮に裁判をして債権回収をすることができたとしても、自己破産してしまえば「債権放棄」をせざるを得ません。


そこで、2000年代に生まれたのが、連帯保証人に代わる新たな「家賃保証サービス」として生まれたのが「家賃保証会社」です。



2.保証会社は事実上の連帯保証人の役割を担ってくれる

保証会社は事実上の連帯保証人の役割を担ってくれる

家賃保証会社は、家賃滞納が発生した際「一時的に代わりに家賃立替をしてくれる」会社のことで、保証料と更新料を支払うことによって、事実上の連帯保証人の役割を担ってくれます。


保証会社を利用することによって、原則として「契約時に連帯保証人をつけなくても結構」となるため、家庭の事情によって「ご両親や親戚などに連帯保証人をつけてもらえない」方であっても、気軽に賃貸物件を借りることができるという部分において、時代にあっているサービスと言っても過言ではなく、また「ご両親の年齢や収入面で、連帯保証人の役割を担えない」と管理会社審査で落ちることもないので、契約自体がスピーディーになる面においては、仲介会社側にとってもメリットであると言えます。



3.なぜ保証会社を利用したいのか?

なぜ保証会社を利用したいのか

仲介会社(管理会社)が、保証会社を利用したい理由としては、次の3点が考えられます。


①家賃滞納に対して、すぐに対応することができる

保証会社が普及される前までにおいて、ご入居者様が家賃滞納すると、管理会社では1か月~2か月までは「立替」を行いますが、それ以降に関しては「立て替えすることができない」ので、当然ではありますがご入居者様/連帯保証人の方に連絡を取り、支給家賃を支払うように、督促を行います。

ただごく一部の方は「家賃滞納しても平気な態度」をとる方がいますので、今度は物件を所有しているオーナーさんから管理会社は、ものすごく怒られてしまいます。


しかし、保証会社を利用することによって、管理会社からの「家賃再引落日」に家賃引き落としができない場合には、保証会社に「代位弁済請求」を行うことによって、オーナーさんに家賃を支払うことができるため、管理会社上においては「家賃滞納」は発生することが無くなりました。


ただし、立て替えた保証会社では「債権が発生」したことになるので、この債権は当然ながら返金してもらわないといけなくなることから、立替事実を知った時からは、保証会社の担当者がご入居者様と連絡を取り、立て替え分の家賃を返金してもらうように、お願いを行います。



②強制退去がより可能に

過去の判例では「家賃を連続して3か月以上滞納」した場合においては、賃貸借契約上における「借主と貸主の信頼関係が破綻」しているとみなされることが多く、保証会社では基本的に家賃滞納を連続3か月以上続けた方に対して、不動産(お部屋)の明け渡しと賃貸借契約の解除を求めて、訴訟を行います。


借地借家法によって、借主に対して「退去」して頂くためには「正当事由」を示さない限りは、オーナーさんの方から退去させることができないため、正当事由を証明するためには、どうしても司法判断を仰がなければなりません。


保証会社が普及する前は、提訴費用などは「全てオーナーさん負担」となり、費用も数百万円程度はかかってしまうため、訴訟になかなか踏み込めないケースも多かったものの、保証会社を利用している場合においては、原則保証会社が訴訟費用を全額負担してくれるので、お部屋を貸す側にとって、保証会社を利用する手はないというのが現実となっています。


③過去に滞納歴があったか、確認ができる

管理会社にとって、保証会社を利用していたとしても「家賃滞納」は、非常に嫌います。

保証会社によっては、「信用情報機関」に信用情報を確認することができるため、お部屋を借りたい方が入居申込をされた際、契約者様が「所謂ブラックリスト掲載」されているかどうかを、すぐに確認することができます。


滞納額が大きい/過去何回も滞納している場合においては、その時点で入居審査を通さない可能性が高くなるので、管理会社としては「滞納リスクを軽減」することができる点においては、保証会社は非常に使いやすいといえます。



4.保証会社不要物件は、非常に少ない

ごく一部の管理会社物件のみとなってしまいますが、中には「保証会社不要」物件もありますが、数的にはあまりないというのが正直な所です。


またこちらも数的には少ないのですが、オーナーさん自ら管理をしている「自主管理物件」では、そもそも保証会社の利用が難しいので、そちらの物件ならば、保証料や更新料を支払わなくても、入居することができます。


ただし、近年においては「自主管理物件にも対応した保証会社」があることから、家賃滞納リスクを防ぎたいオーナーさんは、保証会社に加入することを必須とする所もありますので、その点は注意が必要です。



5.まとめ

賃貸物件を所有しているオーナーさんにとって、家賃滞納は「経営上のリスク」になってしまうことから、どのような理由があったとしても支払っていただかなければ、オーナーさんの方も破綻してしまいます。

(殆どのオーナーさんは、金融機関から借入し、毎月ローン返済を行っています)


家賃保証会社を利用することによって、保証会社が倒産しない限り、家賃滞納がわかった時点で、立て替えて支払ってくれることから、おそらく今後「保証会社不要物件の数」は、さらに少なくなると思われます。


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