募集中の賃貸物件は、原則として「現況優先」となっていることから、これ以上のリフォームなどは行わないことを意味しています。
お部屋探しをしている時においては、あまり気にしていなかったものの、いざ入居して実際に生活をしてみると「床の色が暗すぎるので、出来たら変更したい」と考える方も、恐らくいるはずです。
ただ賃貸物件においては、室内において何かを変更するとなると、全てにおいてオーナーさんの許可を得ないといけないことになっているので、勝手に自分勝手に対応することはできません。
では、もしご入居者様は「現在入居中の部屋の床を交換したい」と申し出た場合、オーナーさんは許可を出してくれるのでしょうか?
目 次
1.契約上、交換する義務はない
賃貸のお部屋において、内装や設備を交換する時には、明確なルールがあります。
内装や設備が「自然損耗」「経年劣化」などによって、故障や不具合、日焼けなどしてしまった場合においては、貸主であるオーナーさんが全額負担することになり、一方「故意過失による破損や汚損」をしてしまった場合は、経年劣化は考慮されずに「借主負担」となっています。
今回の事例では、ただ単に「室内の床材を新しいものに交換したい」だけの問題であることから、この費用をめぐっては、原則としてオーナーさん負担とはなりません。
またオーナーさんが許可を出したとしても、その費用をオーナーさんが全額出すということは、よほどのことがない限り「あり得ない」ことで、良くて「折半」であり、悪いケースでは「借主100%負担」となる可能性があります。
2.交渉次第ではOKを出してくれるかも?
交渉次第にはなりますが、オーナーさんによっては、入居後における室内内装の変更を「許可」してくれる可能性はあります。
賃貸借契約においても、入居後にお客様自身で行う改装などについては、原則「オーナーさんの許可が出た場合」は行ってもよいことになっているので、もしどうしても床材を「クッションフロアやフロアタイル」に変更したい場合には、トラブルを避けるためにも、まずは管理会社経由でオーナーさんに確認してみてください。
オーナーさんより許可を得た場合において、床材を全て張り替える時には、トラブルにならないためにも、オーナーさんが指定する工事担当業者さんに、お願いされたほうが無難です。
お客様の方で、床材張替えを行った時、万が一にも「ミスをしてしまった時」には、当然ながら「原状回復を求められる」ことが予想されるので、これを放置したまま施工し、退去時に発覚してしまうと、トラブルになりかねません。
一方、オーナーさんがNGを出してしまった場合においては、お客様責任にはなりますが、やろうと思えば、床材変更は可能です。ただしこの場合は、原状回復が求められることから、床材を固定する時には「マスキングテープ」を使うか、もしくは接着せずに「そのまま敷くか」のどちらかとなります。
3.退去時、残置物対応は可能?
入居後に「オーナーさんから許可をもらって、床材を自分が好きなもの」に張替えを行った時、気になるのは「退去時における原状回復」。
一般的に、退去時には「入居時と同じ状態」に戻さなくてはならないので、今回の場合は、オーナーさんに許可はもらったものの、入居後に張替えを行っていることから、原状回復をする必要性が出てきてしまいます。
ただし、張替えOKをもらった時に「オーナーさんから原状回復は不要」と言われた場合においては、このままの状態で退去されても、問題は発生しませんが、張替え時において、退去時における対応をしっかりと定めておかないと、クレームに発展する可能性が出てきてしまいます。
一方、オーナーさんから張替えNGとなった場合において、お客様の責任で床材を張り替えた場合においては、退去時には原状回復をした上で、お部屋を明け渡さなくてはなりません。また所謂「残置物」として、そのまま置いていきたいと思っても、そもそも残置物として認められるケースは、設置前に「オーナーさんの許可を得て、退去連絡時に残置物として置いていきたいと、オーナーさんに相談の上、了解」をもらった時に、初めて残置物として認められることから、この様なケースでは、残置物対応はしてくれない可能性が高くなります。
4.まとめ
賃貸物件において、床材を張り替えたいと思った時、オーナーさんに相談するタイミングが、お部屋見学時で「入居希望」を出していた場合ならば、オーナーさんにもよりますが、オーナー負担で対応してくれる可能性があり得ます。
ただし、入居後においては「劣化などではない限り」は、そもそもオーナーさん負担で交換する義務がないため、原則としてもし許可が出た場合があっても、借主負担で対応することになります。
また原状回復に関しても、しっかり確認した上で行わないと、退去時にトラブルになりますので、要注意です。
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