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2021年9月21日5 分

賃貸で設備が急に壊れてしまい、修理代を出したけど、後日返金してくれるの?

お部屋を借りられる方が、賃貸物件に入居される時、管理会社の担当者が入居前に「設備確認」を行った上でに、部屋を引き渡していますが、これは築年数緩解なく発生することですが、賃貸の設備(例えば換気扇やエアコンなど)は、時間の経過と共に「劣化」していくので、いつかは必ず「設備不良」が発生してしまいます。

賃貸の設備の所有権は「オーナーさん」にあるため、もし設備不良になってしまい、設備が思うように使えなくなった場合には、借主が勝手に対応するのは原則NGで、管理会社を必ず通さなくてはなりませんが、もし緊急事態(例えば夏場にエアコンが壊れた/トイレが詰まってしまった)が発生し、管理会社に連絡してもなかなか対応してもらえない場合には、借主の方で対応してもいいのでしょうか?また借主で対応した場合、修理費用などは後日帰してもらえるのでしょうか?


目 次

1.オーナーさんには修繕義務が発生する

2.緊急時には借主対応も認められている

3.対応があまりにも遅れた場合には、家賃減額請求が可能に

4.まとめ


1.オーナーさんには修繕義務が発生する

賃貸物件における設備不良に関する「修理費用」に関しては、設備の経年劣化が原因と思われるものに対しては「オーナーさん」、一方借主が「故意過失によって破損や汚損」をさせてしまった場合には、借主負担が原則となっています。

賃貸設備に不具合が発生する場合、基本的には「経年劣化」が原因であることが殆ど。

民法上においても、貸主には「修繕義務」が発生するので、もし不具合が発生した時には、管理会社に連絡してもらえれば、対応してもらえるはず。

なお、もし設備不良が起っていた事実を知りながら、それを放置したことによって、破損や汚損をさせてしまうと「善管注意義務違反」に問われてしまい、借主負担になってしまうこともあり得るので、注意が必要です。

2.緊急時には借主対応も認められている

大手管理会社が管理している物件では、24時間管理体制となっています。

もし管理会社の営業時間外(夜間や休日)に、設備不良が発生した場合には、コールセンターに連絡してもらうことによって、緊急性の高い事案に対しては、担当者がすぐに駆け付けて対応してもらうことができます。

一方、「24時間管理」がオプション扱い(費用を出せば24時間管理してもらえるシステム)のところで、24時間管理に入っていない部屋では、万が一の場合、基本的にはオーナーさんや管理会社に連絡しても、連絡がつかないことも予想されます。

連絡がつかない場合であっても、緊急性の高いものに対しては、すぐに対応しないと、被害が広がってしまう可能性が高くなるので、もしこのような場合には、民法上「借主が対応することも可能」となっています。


民法第607条の2

賃借物の朱然が必要である場合において、次に掲げる時は、賃借人は、その主膳をすることができる。

1.賃借人は賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしない時。

2.緊迫の事情がある時。


なお、借主が緊急修繕依頼をかける時には「オーナーさんや管理会社に連絡しても、繋がらない」場合、もしくは「緊急性が高い場合」のみにして下さい。オーナーさんや管理会社に連絡なしに、一報的に修繕依頼をかけてしまうと、後日トラブルになる可能性があります。

また、借主が修理依頼をかけた場合、修理費用は一旦立て替えてもらった後に、後日オーナーさんに請求することが可能(民法第608条)ですので、領収書などは必ず保管しておいてください。

3.対応があまりにも遅れた場合には、家賃減額請求が可能に

緊急性の高い事案に対しては、管理会社ではすぐに対応してくれます。

ただ、管理の質が悪い管理会社や、一部自主管理物件においては、借主がお願いしても、なかなか修繕対応してくれない場合があります。

万が一、一定期間を過ぎても「修繕対応をしてくれない」場合には、民法上において「家賃減額請求」を行うことが、昨年の民法改正で可能となりました。


民法第611条

賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。


これは管理会社で実際にあった事例ですが、とある物件に入居されていた借主の部屋において、夏場備付のエアコンが急に壊れてしまい、借主はすぐに管理会社に連絡し、管理会社はオーナーさんにエアコン交換をしてもいいか許可連絡をしたところ、知り合いの所に頼むから待っていてほしいといったせいもあり、しばらくの間エアコンが全く使えない状態になってしまったとのこと。

当然ながら、借主は管理会社に「民法第611条に基づき、家賃減額請求」を行いましたが、ただここで問題なのは、家賃減額をどのくらいまでにするのかについては、ガイドラインはあるものの基本的に話し合いとなります。

今回のケースでは、1か月間のみ家賃を半額してもらうことで、双方が和解したとのことですが、因みにこちらのお客様は、その後退去されたとのことです。

4.まとめ

管理の質がいい物件では、設備不良が発生した場合、すぐに対応してくれるので、借主が嫌な思いをするようなことにはならないはず。大手管理会社物件では、24時間管理体制をとっているので、その点は安心です。

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