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2020年12月30日4 分

退去時における入居者負担はどこまでなの?

これからの時期は、進学や就職、転職などによりお部屋探しをされる方がいますよね。

中には、現在入居している賃貸アパートから違う賃貸アパートに住替える方もいるとは思いますが、賃貸物件退去の際、負担割合を巡り「入居者」「管理会社」でトラブルになるケースは意外とよくあります。

退去時における負担割合については、国土交通省がガイドラインを策定していますので、管理会社では同ガイドラインに則った退去立ち合いを行います。同ガイドラインでは入居者・管理会社(オーナー)の負担割合が明確になっているので、基本的にはもめるようなことにはなりませんが、ただ同ガイドラインを理解していない管理会社やご入居者様もいるのも現実です。

そこで、今日のブログは「退去時における入居者負担割合」はどこからなのかについて、お伝えしていきたいと思います。


目 次

1.入居者の負担原則は「故意」による破損など

2.見積書を確認する

3.自主管理物件は要注意

4.まとめ


1.入居者の負担原則は「故意」による破損など

賃貸物件を退去する際、入居する前と同じ状態に戻す義務(原状回復義務)があります。その際にお部屋の設備な内装などが劣化や破損していた場合には、国交省のガイドラインに照らし合わせながら、負担割合を決めるのが原則となります。

ご入居者様が退去時に絶対に支払わなければならないものは

故意による設備・内装の破損

この1点しかありません。

故意による設備・内装の破損とは、例えば壁にこぶし大ほどの穴をあけてしまった場合やお子さんが壁紙にいたずら書きをしてしまった場合など、通常使用では決して発生しないような(人為的)ものに関してのみ、退去時に修繕費用を請求されます。


一部例外

1)畳・襖の表替え費用

通常の畳は「日焼け」がしやすいので、入居期間中きれいに使用していたとしても、色が変色してしまうので、表替えをしなければなりません。和室部屋がある賃貸物件の場合、退去時に「畳の表替え費用及び襖の交換代費用」が発生し、この費用はご入居者様負担となります。

2)賃貸借契約(特約事項)で「室内クリーニング費用」が入っている場合には、その費用はご入居者様負担となります。


2.見積書を確認する

通常、退去の際に発生した修繕費用の見積書は、必ずお客様に提示し、もしお客様の方で納得して頂ければ、その金額を後日管理会社にお支払していただく事になりますが、ただ管理会社の中には、国交省のガイドラインをよく理解していない人が少なからずいるために、意外過ぎるほどの修繕費用見積もりをお客様に提示する場合があります。

もし、意外過ぎるほどの修繕見積書を提示された場合には、必ず管理会社の担当者に確認してください。

よくありがちな修繕トラブル事例として…

1)壁に穴が開いていた場合

・画鋲などの大きさの穴…通常使用の範囲内なので、管理会社(オーナー)負担

・釘やネジによる穴…修繕が必要になってくるのでお客様負担

2)壁紙の劣化について

・日焼けなどによる壁紙劣化…経年劣化によるものなので、管理会社(オーナー)負担

・タバコのヤニによる壁紙劣化…経年劣化とは認められないので、お客様負担

・壁紙にカビが発生していた場合…善意注意義務違反となるので、お客様負担

3)ペット不可物件なのにペットを無断(一時的)に飼っていた場合

・ペット不可物件なのにペットを飼っていたことが分かった場合、たとえ一時的であったとしても重大な賃貸借契約違反となり、壁紙や床材などを交換しなければ、お貸しすることができなくなるので、室内ほぼ全てのリフォーム費用を全額請求されます。

3.自主管理物件は要注意

賃貸物件には、管理会社が管理している管理物件と、オーナーさんが物件管理をしている「自主管理物件」の2種類がありますが、問題なのは自主管理物件。

自主管理物件の場合、退去立ち合いは「オーナーさん」が行うことになりますが、オーナーさんが賃貸管理に精通していないと、場合によっては本来ならばお客様負担ではない部分までも請求してくることもあり得ます。(利害関係が強すぎるオーナーさんによる退去立ち合いは公平性の部分においても、どうしても懐疑的になりやすいと言えます)

もし、オーナーさんから提示された修繕費用に関して、納得できない場合には、地方自治体の相談窓口や消費生活センターなどに相談したほうがいいと思います。

4.まとめ

入居中、丁寧にお部屋を使用して頂ければ、退去時に修繕費用が高額になるといったようなことはありません。退去費用をできる限り抑えるためには、やはりマナーをしっかりと守った生活を送っていただく事しかありません。

タバコのヤニが原因による壁紙のヤニ汚れ/カビ汚れなどは、ちょっとしたことで防ぐことができるようなもの。賃貸物件はあくまでも「借り物」である以上、ある意味において気を付けながら生活していくことが求められますね。

#退去費用 #ガイドライン

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