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2021年7月7日3 分

賃貸退去時の現状回復とは?どこまでがボーダーラインなの?

賃貸物件では、退去される際「入居時と同じ状態」=原状回復を求められます。

原状回復と言っても、長期間入居していれば、同然劣化などが発生してくるのは、目に見えてくるので、原状回復と言われると「壁紙などを新しいものに交換しなければならないのか?」と疑問に思ってきますよね?またその費用は全額貸主負担になるのではといった疑念がわいてきますが、原状回復とは上記のことを言っているのではありません。

国土交通省が1998年に発表したガイドラインでは、原状回復に関する定義づけを行っています。


原状回復とは「貸借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」としています。


難しい言葉が羅列して、意味がよくわかりにくいのですが、簡単に言うと「普通に生活している中で発生した汚れや劣化については、入居者の責任ではない」ということ。

つまり原状回復において「入居者責任」となるのは、入居者の故意・過失によって発生した破損や汚損が対象となり、経年劣化が原因と思われるものに関しては、貸主であるオーナーが現状回復費用を支払うことになっています。

どこまでが入居者負担になるの?

原状回復が入居者負担となる場合とは、どのようなケースとなるのか、いまいちピンとこないですよね。そこでよくある原状回復について、国土交通省のガイドラインを参考にまとめてみましたので、ご覧下さい。

上記でお分かりになるように、入居者負担となる場合は「全て入居者の故意・過失」が原因によるもので、入居時に敷金を預け入れていた場合には、敷金から相殺されることになります。

入居者負担になったとしても、補修程度で済む場合には、修繕費用はそれほど高くはなりませんが、補修することが難しいケースにおいては、修繕費用が発生することになりますので、注意が必要です。


例えば、壁紙に穴をあけてしまった場合…

*画鋲穴:

補修すれば、穴が見えにくくなるので、壁紙交換する必要がない。

*ネジ穴、釘穴:

補修をしても「補修跡」が残ってしまい、場合によっては下地にも影響が出ているので、壁紙交換などが必要になってくる。


また、賃貸物件の内装や設備には「減価償却」が設定されています。

例えば壁紙の場合、減価償却は6年と決まっています。

6年後の壁紙の価値は1円のみとなりますが、ただ借主過失が原因と思われる破損や汚損に関しては、減価償却は考慮されません。減価償却で計算される場合は、借主、貸主どちらの過失がわからない場合のみに適用されるので、減価償却が終了したものなら、たとえ借主が壊しても修繕費用は請求されないというわけではありませんので、ご注意ください。

賃貸借契約書の特約にも注意

なお、退去時における原状回復とは別に、賃貸借契約書において「特約事項」が記載されている場合には、原状回復とは別に費用が必然的に発生してしまいますので、注意が必要です。

物件によって相違はあるものの、殆どの物件「退去後の室内クリーニング費用は借主負担」

と明記されています。室内クリーニングとは、次に部屋を借りる方が気持ちよく住んでもらうように、退去後に清掃業者さんによる室内清掃をおこなってもらうもので、その費用に関しては契約上「借主」負担となっています。

また、和室部屋がある物件においては、畳が日焼けしてしまう性質の為、畳の表替え代と襖の交換費用が発生し、こちらも借主負担となってしまいますので、注意が必要です。

賃貸物件における原状回復に関しては、あくまでも入居期間中「借主が故意過失によって発生させてしまった破損や汚損」のみが負担対象となりますが、原状回復以外にも「室内クリーニング費用」(和室部屋がある場合には、畳の表替え代や襖の交換代)が別途発生するので、この点は注意が必要です。

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