賃貸物件には、原則としてエアコンが1台設置されています。
備付のエアコンの所有者は、物件所有者であるオーナーさんであるので、もしエアコンを含む設備が急に調子がおかしくなったり、また完全に故障してしまった場合には、すぐに管理会社に連絡をしなければなりません。
夏の時期は、エアコンを使用される方が殆どだと思いますが、ただエアコンも年数が経過してくると「劣化」してくるので、いつエアコンが壊れてもおかしくはありません。
万が一、エアコンが急に壊れてしまって「管理会社経由」でオーナーさんにその事実を伝えたところ、オーナーさんが「今すぐ交換は難しい」「設置するまでにはしばらく時間がかかる」などすぐに対応してくれないと、特に夏の時期で発生してしまった場合には、正直日常生活を送ること自体が難しくなってしまいますよね!
もしこのようなことを言われた場合、正直納得できない方が圧倒的に多いと思いますが、もしオーナーさんが上記の様な対応しかしない場合、実はそれに対抗する方法があることをご存知でしょうか?
昨年民法が改正されたのですが、その中にオーナーさんが設備修繕をしてくれない場合には、借主であるご入居者様は、オーナーさんに家賃減額請求を行うことができるので、もしオーナーさんがエアコン交換に消極的な態度をとっていた場合には、これを伝えるとすぐに交換に応じてくれるはずです。
参考までに、その条文を記載します。
民法第611条 1項
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。
この条文で不明確な部分があるとすれば、賃料が減額される場合、どのぐらい減額することが可能になるのかが、明記されてないところ。
これに対する一つの指針として、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「サブリース住宅原賃貸借契約書(改訂版)」に設備故障した場合、どのくらい減額請求することができるのか、詳細が記載されています。
上記によると、今回のエアコン故障のケースで言うと、免責期間が3日設定されているので3日間でエアコン交換ができれば、家賃減額請求をすることはできませんが、4日以降になった場合には、月額で5000円値引き請求をすることができると、明記されています。
免責があったとはいえ、お部屋を借りている側の立場としてみたら、数日間エアコンなしの生活を置くのは、正直苦痛でしかありません。上記のガイドラインでは、4日以降対応してくれなかった場合、たった5000円しか減額してくれないので、正直割に合わないと考える方の方が多いのではないでしょうか?
ではこの場合、泣き寝入りをしなければならないのかというと、そういうことではなく、借り手側の言い分は、しっかりと伝えるべきだと思います。
管理がしっかりしている物件ならば、オーナーさんの方から家賃減額を言ってくる可能性が高いのですが、とりあえずお客様の方から具体的な金額を提示されてみてはいかがですか?
(ただし家賃1か月分を請求することは、さすがにできません)
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