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賃貸で又貸し行為が厳禁なのはどうして?

更新日:2022年10月10日


賃貸物件に入居する場合、契約者となられる方は「必ず入居審査」を行い、家賃支払い能力がしっかりとあるか、また入居モラルを守ってもらえるのかを、審査したうえで、入居可否を決めます。


そのため、管理会社/貸主は、「ご入居者様=契約されている部屋に入居しているもの」と判断しますが、ただごく一部の方においては、残念ではありますが「借りている部屋を第三者に貸す行為=又貸し」をされています。


このような話をすると「他人は問題」だが、自分の親戚であれば「問題ない」と考える方がいますが、仮に親戚であったとしても、又貸し行為は、管理会社/貸主が最も嫌う行為であり、賃貸借契約にも違反してしまいます。


では、どうして管理会社/貸主は「又貸し行為」を嫌うのか、また又貸し行為をしてしまうと、どのようなペナルティーを負ってしまうのかについて、お伝えいたします。

 

▼目 次

 

1.又貸し行為がどうしてNGなのか?

Yahoo!不動産の質問コーナーに、又貸しに関する記述がありました。参考までに全文掲載いたします。

賃貸に住む義理兄の戸建住宅の 一室を借りてエステサロンを 開業したらどうだという話があります。 開業したら一室分の家賃代を支払う約束で 貸してくれるということですが、そもそも賃貸ですし、又貸しになりますよね。 このようなケースでの開業は可能なのでしょうか?

一見すると、「親戚だからいいのでは?」という気持ちが強くなってしまいますが、又貸し行為を認めてしまうと、管理上のリスクがとても強くなってしまいます。


1)課税対象となってしまう

賃貸物件を借りて開業することは、何ら問題はありませんが、ただ居住用賃貸物件において、開業をしたいと思っていても、管理会社/借主は認めないケースが多いです。その理由としては、不特定多数の人が「出入り」してしまうと、必ずと言ってもいいほど「トラブル」に巻き込まれてしまい、また居住用賃貸は「そもそも非課税対象」となっていますが、開業目的で借りてしまうと、事業用と見做され「課税対象」となってしまいます。


2)責任が取れない

賃貸物件に入居する際には、必ず「家財保険」に加入しなければなりません。

ただこの家財保険は、契約者本人と同居されている家族が対象となり、第三者は対象外となってしまいます。


もし、漏水事故を引き起こしてしまった場合、「契約者又は同居人」が引き起こしてしまったら、家財保険で補償することができるものの、第三者が引き起こしてしまった場合、家財保険では一切対応してくれないので、当人が自費対応することになってしまいます。


重大な事故を起こしてしまうと、費用は高額になってしまいますが、管理会社では原則として費用支払いは「一括請求」してくることが多いため、支払いができないというようなケースが生まれてしまうことも、十分にあり得ます。


3)又貸し行為は、バレます

又貸し行為を黙って行っていたとしても、正直なところ「すぐにバレて」しまうものです。

バレてしまう理由としては、他の入居者様からの通報や、空き駐車場に「契約者以外の車が頻繁に止まっている」場合などは、入居者様から管理会社に連絡が入ることが多いため、調べていったら「第三者が住んでいた」ということも、十分にあり得ます。



2.実は又貸し行為は、法律違反

実は又貸し行為は、法律違反

「友達または親戚から頼まれた」からといっても、又貸しは絶対にしてはいけません。というより、又貸しは「完全な不法行為」なんです。


民法第612条1項に次のような記述があります。

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

この記述を読んだ方の中には、「それなら貸主にお願いして、転貸の許可をとれば、又貸ししてもいい」と判断されやすいのですが、管理会社/貸主はまず認めません。その理由は先程お伝えしたと通り、管理上のリスクが高くなってしまうからです。


また、賃貸借契約書の中には、「又貸し厳禁」の記載があり、契約時において担当者から説明を受けているはずであるため、「又貸し行為が発覚」してしまうと、管理担当者/貸主的には「故意に行った」と見做され、重大なペナルティーを科せられる可能性が高くなります。



3.又貸し行為が発覚すると、即契約解除

又貸し行為が発覚すると、即契約解除

又貸しを許した契約者は、「悪気がなかった」としても、管理会社や貸主は「賃貸借契約上における信頼関係が破綻した」と見做して、契約者本人に対して「賃貸借契約の解除」を通告し、契約そのものを解除してきますが、ただ貸主は部屋から出て行ってもらう=退去までも求めてきます。


実は、賃貸借契約を解除したとしても、借主が住み続けることは可能です。

その理由は、借主には「借家権」という法的権利が与えられ、正当事由なしでは強制退去させることはできません。


そのため、貸主は裁判所に対して「不動産明け渡し訴訟」を起こして、判決によって部屋から出て行ってもらうようにしますが、ただここで争ったとしても、又貸し行為そのものは、民法上における不法行為であり、それを立証されてしまえば、借主側の勝ち目はないばかりではなく、敗訴になってしまうと「裁判費用も支払う」ことになることから、又貸し行為が発覚した場合には、まずは管理会社/貸主に対して謝罪をした上で、裁判になる前に自主的に退去した方が、双方にとって傷は浅くなります。



4.まとめ

又貸し行為が発覚してしまうと、契約者と又貸しをしていた方の「信頼関係」は破綻してしまうばかりではなく、契約者本人は「重大な賃貸借契約違反を行った」ことになってしまうため、契約によっては違約金の支払いが発生したり、所謂ブラックリスト掲載になってしまいます。


軽い気持ちで又貸し行為をしてしまうと、取り返しのつかないことになってしまうため、仮に数日であったとしても、又貸し行為はしてはいけません。


 

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#又貸し

#民法第612条

#賃貸借契約


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