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賃貸設備が故障した場合、家賃減額請求を行うことができるの?


賃貸物件の設備は、どうしても使用していくたびに「劣化」してきますので、いつかは設備不良を起こってしまいます。使用状況に応じて「劣化のスピードも異なる」ことから、管理会社では予測することは不可能となります。


設備不良が発生した場合、その不良原因が「経年劣化」によるものであれば、オーナーさんの方で対応することになりますが、例えば夏場に「エアコンが急に壊れてしまった」場合、すぐに対応してくれなければ、最悪「熱中症」になってしまいます。


熱中症と聞くと、室外にいた時に発生するものと思われていますが、実は熱中症になってしまった方の約4割は、「室内」で発生しているので、梅雨明け~9月末ぐらいまでは「エアコンを適度」に使うことによって、熱中症リスクを抑えることができますが、もし夏場の時期にエアコンが使えない場合、管理会社にクレームというどころか、今払っている家賃を減額してもらいたいといった気持になってしまいます。


では、もし設備不良が発生した場合、家賃減額請求を行うことができるのでしょうか?

 

目 次

1.民法改正によって、家賃減額請求はできる

2.免責期間はあるが、法的根拠とは至っていない

3.オーナーさんがしっかりしている物件では、対応が早い

4.まとめ

 

1.民法改正によって、家賃減額請求はできる

民法改正によって、家賃減額請求はできる

2020年に民法が一部改正となり、家賃減額に関する部分も改正となりました。


改正前

賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。


改正後

賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合においては、それが賃借人の攻めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料はその使用及ぶ収益をすることができなくなってしまった部分の割合に応じて、減額される


改正前では、劣化などの理由によって設備などが使えなくなってしまった場合には、管理会社などに「家賃減額請求をすることができる」と、あくまでも請求は認めているけれども、減額されるとは記載されていませんが、改正後においては「使用できなくなってしまった割合に応じて減額される」と、より踏み込んだ表現となっています。


ただ、ここで問題となるのは「使用及び収益をすることができなくなってしまった部分の割合」つまり、設備が使えなくなってしまった時、果たしていつまでに対応しなければ減額請求ができるのか、条文では記載がありません。



2.免責期間はあるが、法的根拠とは至っていない

免責期間はあるが、法的根拠とは至っていない

万が一設備が故障して、数日間使用することができなくなってしまったら、日常生活において支障をきたしてしまいますよね?

そこで一つの指針として、公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会が作成した「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」があり、もし故障などがあって減額しなければならない場合には、ガイドラインに照らし合わせて、減額のたたき台を作ります。


今回エアコンを事例に出していますので、同ガイドラインを確認してみると、その月の家賃は5000円値引きすることになっています。免責が3日となっているので、故障してから4日たってもエアコンが使えない状態の場合は、家賃5000円値引きすることができるとありますが、正直な所5000円程度の値引きでは、誠意ある対応とはいいがたいですよね。


同ガイドラインは、あくまでも指針であることから、具体的な減額金額に関しては、貸主と借主双方の話し合いによって算定されます。



3.オーナーさんがしっかりしている物件では、対応が早い

オーナーさんがしっかりしている物件では、対応が早い

設備故障となった場合で、日常生活に支障をきたすような故障があると、時間が経てば経つほど「怒り心頭」になってきますよね。


これは管理会社で実際にあった話ですが、とある物件において、夏場エアコンが故障してしまい、管理担当者はオーナーさんにすぐに連絡して、エアコン交換をしてもいいか許可を求めたところ、対応が遅れてしまって、その結果「1か月のみ、家賃を半額」にして許してもらったとのことでした。


一方、たまたま当物件においても、先月備付エアコンが故障してしまったと、管理会社経由で連絡がありましたが、ガス会社全面協力の元、翌日にはエアコンを取り寄せて、免責期間最終日となる3日目に、エアコンを取付けが完了したとのことでした。



4.まとめ

いかがだったでしょうか?

設備不良に対して、一定期間を過ぎても対応に応じてくれない場合には、法律上「家賃減額請求」を行うことが可能となりましたが、ただお部屋を借りられている方の立場で考えれば、家賃減額よりも、一日も早く復旧させてほしいと思っている方の方が多いのではないでしょうか。


このような事態になった時、オーナーさんがしっかりしている物件では、早急に対応することができるので、早く元通りの生活を送れることが可能となりますが、オーナーさんがしっかりしていない物件では、対応が後手後手に回ってしまうので、満足できるような対応をしてもらえない可能性があり得ます。


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