賃貸物件の立ち退きを急に求められた場合、退去しないといけないの?


賃貸物件を解約する際、大多数が「借主側」の都合によって退去するケースが多いのですが、ごく稀に貸主側からも「賃貸借契約の解除」を求めることもあります。


賃貸契約には2種類あり、大多数の物件では「普通借家契約」を結んでいることから、貸主側から賃貸借契約の解除や退去を求める場合には、正当事由が求められ、貸主側の一方的な理由によって、解約や退去をお願いするのは、100%できません。


Yahoo!不動産に「賃貸立ち退き」に関する質問が掲載されていました。

もしかすると、この様なケースに遭遇された方もいると思いますので、今回のブログは、貸主側から一方的に立ち退きを要求された場合、どのように対応したらいいのかについて、お伝えいたします。


 

▼目 次

1.Yahoo!不動産に寄せられた質問

2.正当事由があるかどうかが、一番の問題

3.このまま住み続けても大丈夫?

4.まとめ

 

1.Yahoo!不動産に寄せられた質問

Yahoo!不動産に寄せられた質問

Yahoo!不動産に「立ち退き」に関する質問が掲載されていました。

長文となってしまいますが、全文掲載し、どこに問題点があるのかを、一緒になって考えてみたいと思います。

賃貸アパート(一軒家の2階)を借りてる者です。今年末で2回目の契約更新になるのですが、オーナーからは契約更新したくない、更新するならば1階の騒音に関してなどいっさい連絡してこない約束としてくれと言われてます。 ことの経緯は、4、5年前から今の家を借りてるのですが、当初から1階の店舗(入れ替わりが激しく、中国人のマッサージだったりでマナーが悪く)の騒音や、最近入った会社も騒音があり、どうにかしてほしいということで度々オーナーや不動産に連絡してました。 そうこうしてるうちに、ちょっと前ですが、そんなに嫌だったら出て行ってもらってもいい、今と同程度の家賃と礼金、引越し代、迷惑料くらい払うので、と電話口ですが言われてました。 ただ、今は一階の騒音もそこまでなく、このまま更新してもいいかな〜と思ってたら、冒頭のオーナーからの更新したくないという話しがあったので、どうしようかと考えてる次第です。 今のところに住み続けたいが、何かあったときにオーナーへ何も相談出来ない条件つきというのはあり得ないので、他へ引っ越すとした場合の条件としてオーナーへはどの程度請求出来ますか? もしこちらの提示した金額をオーナーが拒んだ場合は居続ける事は可能でしょうか? 宜しくお願いします。

今回の質問の骨子は…

  • 貸主側から1階テナントに関する苦情は言わないでほしいと、お願いされた

  • 騒音が嫌ならば、立退料程度は払うから、退去してほしい

  • 貸主側の心境が変化し、更新はしないと言われた

  • 引っ越す場合、どのくらい請求できるか?

  • 住み続けることにした場合、住むことはできる?


2.正当事由があるかどうかが、一番の問題

正当事由があるかどうかが、一番の問題

契約内容によって、対応方法が異なりますが、普通借家契約で賃貸契約をしたという仮定で、説明させてもらいます。


1)貸主側から更新拒否する場合、正当事由が必要となる

賃貸借契約を結んだ時点で、借主側には「借家権」という法的保護が与えられます。

借家権があることによって、貸主側から無理難題な要求を受けたとしても、正当事由がない限りは、無視することができます。


では貸主側の要求が認められる「正当事由」には、一体どのようなものがあるのかというと…

  1. 建物の老朽化によって、建て替えを行うことになった

  2. 借主側が、重大な賃貸借契約違反を行った

上記に該当する理由によって、貸主側から退去を求められた場合、正当事由に該当するので、拒否することはできません。


ただし、1.については「貸主側の都合」によるものであることから、現入居者様に対して「立退料(次の賃貸を借りる際の初期費用相当分)」「引越し代」を支払わなくてはなりません。


また、2.に関しては、主に「家賃滞納や騒音被害」によって、賃貸借契約上の信頼関係が破綻したと見做した場合、解約・退去させることができますが、ただこれを行う場合、司法判断を仰がなくてはならない=証拠を提示する必要があるため、判決なしに一方的に貸主が対応することは、100%できません。


2)今回のケースでは、正当事由があるとは言えない

今回Yahoo‼不動産に寄せられた相談内容では、残念ながら「正当事由がある」とは到底言えません。更新拒否されてしまった理由の一つに、「1階テナントの騒音」に対してクレームを言ったことが発端となっていますが、これは借主の立場で言えば、正当な主張であり、貸主は「民法第601条」において、しっかりと支障を取り除かなくてはならないことになっています。


3)貸主側からの解約申し入れは、6か月前に行うことになっている

借家権保護のため、貸主側から契約解除申入れをする場合、「解約日から6か月前」までに行わなければならないことになっています。今回のケースでは、いつ貸主側から解約申し入れを行ったかはわかりませんが、極端なことを言えば「1か月先に出て行ってくれ」と言われても、応じない限り「拒否」しても、何ら問題はありません。


4)立退料+引っ越し代は請求できる

貸主都合による契約解除の場合、借主は「立退料と引越料」を求めることができます。

ただ立退料に関して、明確な規定がない事から、双方の話し合いによって決まるケースが多いです。(なお根拠として相場を提示することがあります)



3.このまま住み続けても大丈夫?

このまま住み続けても大丈夫?

定期借家契約は、原則として「更新はない」前提となっているので、契約満了と同時に借主は退去しなければならなくなります。(但し、貸主借主双方の合意があれば、再契約はできます)


一方、大多数の物件では「普通借家契約」となっていることから、契約更新する際には「借主と貸主の合意」が必要となりますが、万が一にも「貸主側が契約更新を拒絶」した場合でも、正当事由がなければ、従前契約と同じ条件で住み続けることができます。(法定更新と言います)


なお、法定更新に切り替わってしまうと、「期限の定めがない契約」となってしまい、契約上「更新料支払いがある」物件においては、更新料支払いが不要となります。ただもともとの契約において「法定更新に切り替わったとしても、更新料の支払いはある」といった記載がされていると、更新料は支払うことになり、さらに法定更新になると「借主側による退去連絡が3か月前」となってしまうので、その点は十分に注意しなければなりません。



4.まとめ

いかがだったでしょうか?


借家権保護のため、貸主側から立ち退きを求めることができるのは、建物老朽化による建て替えや、家賃滞納/騒音被害が発生し、賃貸借契約上における信頼関係が破綻した場合のみとなり、上記以外の理由で、立ち退きを求められても「無視」し続けても、何ら問題はありません。


また、万が一「貸主との話し合いが不調」に終わり、住み続けることが嫌になった場合は、今回のケースでは「立退料と引越代」を請求することができますが、特殊事情がない退去は、借主側から立退料や引っ越し代を請求することはできませんので、要注意です。


 

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