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賃貸のハウスクリーニング特約、拒否することはできるの?

更新日:2022年10月17日


物件によって対応が異なりますが、一般的な賃貸借契約においては、退去時に「ハウスクリーニング費用」を借主から支払っていただく事になっています。


これは、通常の賃貸借契約書には記載されておらず「修繕負担に関する特約」という形で、別途掲載されていますが、そもそも賃貸借契約書にサインをしてしまった以上は、すべての条件に対して「同意した」ことを意味してしまうので、ハウスクリーニングを支払いたくはないと思っていても、支払うことになってしまいます。


もしどうしても支払いを拒否したいのであれば、契約前に「交渉」をして、ハウスクリーニング費用を特約から除外してもらうしか方法はありません。


では、もしお客様の方で「ハウスクリーニングを除外してほしい」とお願いした時、管理会社などではOKを出してくれるのでしょうか?


 

目 次

1.国交省のガイドラインでは、貸主負担

2.特約内容がしっかりと明記されているか?

3.交渉しても、まず難しいのが現実

4.割り切る覚悟が必要

5.まとめ

 

1.国交省のガイドラインでは、貸主負担

国交省のガイドラインでは、貸主負担

国交省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、退去後に行われる「ハウスクリーニング費用」は、借主負担ではなく「貸主負担」が妥当であると述べています。該当部分を全文抜粋しますと…

貸借人が通常の清掃(具体的には、ごみの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ周りの油汚れの除去等)を実施している場合には、次の入居者確保のものであり、賃貸人負担とすることが妥当である。

同省のガイドライン上において、ハウスクリーニングが「オーナーさん負担が望ましい」とあるのに、どうして実際の現場では「ご入居者様負担」となってしまうのか?これを可能にしているのが「特約」。


特約とは、字の如く「借主と貸主との間の「特別な約束」」という意味合いのもので、ここに記載されている内容に関して、契約時にサインをした時点で「負担することを認めた」ことになってしまいます。


ただ、仮に特約に記載があったからと言って、それが全て有効として認められるわけではありません。では、特約にどのような記載があれば「有効的」として認められるのでしょうか?



2.特約内容がしっかりと明記されているか?

特約内容がしっかりと明記されているか?

同省のガイドライン上において、特約として認められるケースとしては

☑貸借人が負担すべき内容、範囲になっているか?

☑本来貸借人負担とならない通常損耗についても「負担させる」という趣

 旨及び負担することになる通常損耗の具体的範囲が明記されているか、

 或いは口頭で説明されているか?

☑費用として妥当か等の点から有効・無効が判断される

とあります。


つまり、契約前に必ず行われる「重要事項説明」時において、担当者の方から

☑ハウスクリーニング費用及び内容が明記されている

☑契約前に口頭でしっかりと説明している

☑ハウスクリーニング費用が妥当=家賃1か月分程度

であれば、法的にも認められる可能性があるので、サインをした時点において、借主の方ですべて負担することを認めることになります。

仮に不服があったとしても、支払いを拒否することができません。


なお、もしご入居される部屋に「和室部屋」がある場合には、畳の表替えと襖の交換代に関しても、特約として「借主負担」となっています。和室部屋にご入居希望の方は、要注意となります。



3.交渉しても、まず難しいのが現実

交渉しても、まず難しいのが現実

退去時において「ハウスクリーニング支払いを拒否」するためには、特約事項にある「ハウスクリーニング費用借主負担」を消去しなければなりません。


消去させるには、交渉するしか方法はありません。


では、交渉をすれば「ハウスクリーニング費用がなくなるのか」というと

100%の確率で断られる

のが現実です。


これはある意味において、賃貸業界における慣習ともいうべき部分となってしまい、百歩譲って「オーナーさんがハウスクリーニング費用を負担」してくれるかというと、断られるのが現実であり、さらに1回でも認めてしまうと、他の方にも「同様の対応」をしなければならないことから、交渉したとしても「丁重に断られる」のが現実。


もしあまりにも主張しすぎてしまうと、仲介会社の方から「契約を断れる」可能性があり得ますので、要注意です。



4.割り切る覚悟が必要

割り切る覚悟が必要

ハウスクリーニング費用に関しては、大手管理会社物件ではもちろんのこと、街の不動産屋さんが管理している物件であっても、ハウスクリーニング費用は「借主負担」となっていることから、事実上「どの物件であったとしても負担はしなければならない」ことから、ある意味において「割り切る」ことが求められます。



5.まとめ

いかがでしたか?

退去時に発生する「ハウスクリーニング」に関しては、重要事項説明時において、担当者から「口頭で金額や内容」を説明を受けて、サインをしているので、退去時において「支払いを拒否」することはできません。


さらに、ハウスクリーニングにおいて注意が必要なのが、入居期間中において「掃除を怠けていた」ことによって、通常のハウスクリーニングでは「落としきれないような汚れ」があった場合には、追加費用が発生してしまいます。


また、退去時において「ハウスクリーニング費用支払いを完全拒否」してしまった方で、契約時に「保証会社に加入」していた方においては、管理会社の方から保証会社に対して「ハウスクリーニング費用」を立て替えて支払ってもらうことになります。


この時点ですでに「信用情報機関に登録」されてしまうので、所謂ブラックリスト掲載となってしまい、今後の賃貸探しが非常に難しくなってしまうので、要注意です。


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